はじめに
  本事業は、財団法人日本豆類基金協会の助成を受けて平成22年度豆類振興事業の
うちの経営指導事業として実施した事業である。
 当協会は、農林水産省の大豆生産振興策の一環として平成12年産以降国産大豆の
入札取引を主催している。
 入札取引を通じて、消費者、実需者のニーズに適合する産地品種銘柄の大豆がより
高い評価を得て取引が展開されることにより、国産大豆の産地がニーズに適合した大豆生産にシフトし、結果的に国産大豆の需要拡大、自給率の向上に繋がることが望まれる。
 このようなプロセスが実現されるためには、銘柄別の大豆の需給状況、内外の大豆に
対する評価等に関する的確な情報が取引関係者にリアルタイムで十分提供される必要がある。
 このため、本事業は、大豆の需給、産地における生産の動向、実需者における国産
大豆の使用状況、国産大豆の品質に対する評価、外国産との比較等に関する情報を
継続的に収集、分析し、インターネットのサイト等を利用して、入札取引参加者始め、実需者、産地関係者等に情報提供し、国産大豆の取引の活性化を図り、国産大豆生産の振興に資することを意図している。
 事業の具体的内容としては、
 (1)国産大豆の品質、供給量の動向に関する情報の収集
 (2)実需者サイドにおける大豆の品質に関する情報の収集
 (3)主要銘柄大豆の価格形成要因の把握
 を行い、事業より得られた国産大豆の品質に関する情報を印刷物、インターネット等を
利用して、大豆入札取引登録者を始めとする関係者に提供することとした。
 このことにより、国産大豆の質的、量的な需給の動向等に関する情報を入札取引参加者をはじめとする大豆の流通に係わる生産者、実需者、流通業者、マスコミ、行政等の
関係者に提供し、国産大豆の取引を活性化し、品質評価の向上を通じて需要の拡大、
自給率の向上を実現しようとするものである。
 本報告書は、主に平成21年産大豆の取引期間中において得られた情報、インターネットサイトに掲載して提供した情報等を改めて整理し、冊子に取りまとめたものである。
 本報告は、学術論文として取りまとめたものではなく、関係者の業務参考となると思わ
れる情報を収録したものである。コメントについては、事実の説明に留めるように配慮したが、担当者の私見に及ぶ部分を含む可能性がある。
 関係諸氏にご活用いただくとともに、ご意見、ご批評を賜れば幸いである。
平成23年3月
財団法人日本特産農産物協会
 
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