1−3 大豆輸入の状況
 財務省「貿易統計」による大豆輸入量は、2010年(平成22年)では、3,450千トン、うち米国2,465千トンで最も多く、次いでカナダ370千トン、中国44千トン、その他571千トンである。[1-3-1]
  貿易統計では、総量のほか、運送形態別として航空貨物または海上コンテナ貨物ごとの数量が示されている。航空貨物の数量は無視できるので、海上コンテナ貨物の数量を見ると2010年では、カナダ及び中国大豆の大部分が海上コンテナ貨物である。海上コンテナ貨物として輸入される大豆は、食品仕向け用と考えられるので、カナダ及び中国大豆は、ほぼ全量が食品用と考えて差し支えない。なお、海上コンテナ貨物以外の数量が全て加工仕向け用ではなく、袋詰めされて船倉に収納して運送されるものも含まれており、それらは食品仕向け用と理解される。米国大豆2,465千トンのうち海上コンテナ貨物数量は、310千トンである。海上コンテナ貨物以外の数量の中に食品仕向け用数量がどの程度含まれるかは不明である。[1-3-2
  仮に食品用需要=供給を90万トンとして、国産20万トンを差し引いて食品用輸入大豆70万トンとすれば、海上コンテナ貨物数量から見てカナダ及び中国産大豆40万トンとすると米国その他産大豆は、30万トンとなる。
  近年の米国産大豆の輸入数量の推移をみると、総量は、減少傾向にあるが、海上コンテナ貨物数量は、大きな変動がないように思われる。そのことから、米国からの大豆の輸入量の減少は、主に搾油原料大豆の輸入の減少を反映したものであり、食品用大豆の輸入量については余り変化は見られないと考えられる。
  米国産以外の食品仕向け輸入大豆の太宗を占めるカナダ産、中国産大豆及び国産大豆の供給の推移をみる。[1-3-3
  2004年に17万トンの輸入があった中国産大豆が年々減少し、その減少を補う形でカナダ産大豆が増加、国産もやや増加する傾向の中で供給は、全体として増加傾向で推移した。
 
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